森林生物 スミッティウム モルボスム



更新日:2017/10/18
和名:スミッティウム モルボスム
学名:Smittium morbosum A. W. Sweeny
    
分布:日本・オーストラリア・アルゼンチン
説明
ハルペラ目レゲリオミケス科に属する。蚊の幼虫(ボウフラ)の中腸と後腸の境部に付着生活する糸状菌。ハマダラカ、イエカ、ヤブカの類に感染する。この菌の分布は研究者の分布と一致している。Trichomycetesの仲間は寄主に対して悪影響を与えないことが通例であるが、この菌は寄主を殺す例外的なトリコミケテスとして記載された。S. morbosumはボウフラの組織の中に菌糸を侵入させるが、その部分で寄主の生体防御反応によりメラニン化が起こり菌糸を取り巻く部分が硬化する。このことにより脱皮に失敗するようになり死亡が起きる。この菌の初めての報告は、オーストラリアで飼育されていたボウフラが集団死することから発見された。野外での記録は日本の府中市のどぶからの記録が初めてのものである。
                       
ボウフラの組織に侵入しメラニン化されるS. morbosumの菌糸 菌糸と胞子

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