森林生物 サクラ類幼果菌核病



更新日:2020/03/18
和名:サクラ類幼果菌核病
学名:(病原菌)Monilinia kusanoi  (Hennings ex Takahashi) Yamamoto
    
分布:日本
説明
春先、サクラの開花時期に地中の菌核から子のう盤を形成し、子のう胞子を飛散する(一次感染)。感染すると幼果が褐色の萎れたミイラ状になり、その表面に白い分生胞子を形成する。この分生胞子も感染源となる(二次感染)。感染した葉は褐斑を生じ、葉の裏の中肋上に白粉状の分生胞子を形成し、二次感染を繰り返す。葉はやがて全体が褐変して枝から垂れ下がり、落下する(写真1)。夏には感染は終息する。感染した幼果は菌核となり、地中で越冬し、翌春子のう盤を生じる(写真2)。菌核は低温を経験させる(春化処理)と、子のう盤を形成する性質がある。感染を毎年繰り返すと、樹体が衰弱して枯死に至る場合もある。
                       
幼果菌核菌病に感染して萎凋したカワヅザクラ[勝木俊雄氏(多摩森林科学園)撮影] 前年のサクラ種子に形成された子のう盤

データ一覧へ