森林生物 コガネムシ類リケッチア病



更新日:2017/10/18
和名:コガネムシ類リケッチア病
学名:Rickettsiella spp. 
    
分布:日本・ヨーロッパ
説明
コガネムシ類の幼虫に寄生する。リケッチアはグラム陰性の微小な細菌で、生きた細胞内に寄生し人工培地では培養できない。いくつかの昆虫寄生性のリケッチアを統合してRickettsiella popilliaeという学名が与えられているが、その妥当性については論議がある。日本ではオオスジコガネから発見されたリケッチアがドウガネブイブイ、ヒメコガネなど他のコガネムシ類幼虫にも病原性があることがわかっている。罹病虫はポックスウイルス感染虫と類似し、生存中から体色が白化する。感染したコガネムシ幼虫の血液中には菱形の蛋白結晶が形成される。寄主の大発生時には流行が起こり、天敵微生物としての役割は重要と考えられるが、ほ乳類にも感染性を持つこと、増殖が困難なこと、死亡までの時間が長いことなどから、害虫防除には利用されていない。
           
リケッチアに感染したドウガネブイブイ幼虫(左2頭)。右2頭は健全虫。

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