森林生物 マツバノタマバエ



更新日:2020/03/18
和名:マツバノタマバエ
学名:Thecodiplosis japonensis  Uchida et Inouye
    ハエ目タマバエ科
分布:日本全土・朝鮮半島
説明
成虫の体長は1.5~2.6mm、成熟幼虫は体長約3mm。アカマツやクロマツなど二葉マツ類の針葉の根元に虫こぶ(マツバタマフシ)を作る害虫である。本種の被害を受けた針葉は短くなり(健全葉の約1/3)、秋の終わりから翌春にかけて茶色に変色して枯れ落ちる。年1回発生し、4~6月に羽化した成虫は交尾後、伸長を始めた1~1.5cmの葉に産卵する。9月には針葉の根元が肥大して虫こぶが成熟する。虫こぶ内には複数の幼虫が生息する。10~1月に幼虫は虫こぶを脱出して土中で冬を越し、翌春に繭を作って蛹になる。本種の被害はクロマツよりアカマツに多く発生する傾向が強く、被害も大きい。アカマツで虫こぶ形成率50%程度の被害が2年以上続くと、ほとんどの木は枯死する。韓国ではマツの最重要害虫として知られる。
                       
マツバノタマバエの被害 虫こぶ(マツバタマフシ)内のマツバノタマバエ幼虫

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