森林生物 ニトベキバチ



更新日:2020/03/18
和名:ニトベキバチ
学名:Sirex nitobei  Matsumura
    ハチ目キバチ科
分布:日本
説明
アカマツ・クロマツの幹に寄生する。雌成虫は体長25mm程度、黒色で青藍色の光沢がある。触角と脚は黒色。近似種にコルリキバチ(S.juvencus L.)がいるが、脚の大部分が黄褐色である点で区別される。普通1年で世代であるが、2年に1世代を経過するものもいる。成虫は9月、10月に出現する。性比は、10:7ぐらいで雄が多い。雌成虫は樹皮上から産卵管を刺し、産卵する。産卵数は一つの挿入で1粒であるが、産卵されないものもある。雌成虫は、腹腔内に胞子貯蔵器官を持っており、産卵管の挿入時にmucusと呼ばれる粘液物質と共生菌(Amylostereum areolatum Talbot)の胞子が植えつけられる。孵化幼虫は材と一緒にこの共生菌を食べている。材内で蛹化し羽化する。枯損した松材では青変菌により黒青色を呈する場合が多いが、この共生菌が繁殖したマツの材内は白色となる。
                       
ニトベキバチ雌成虫 ニトベキバチ雄成虫

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