森林生物 ヘリグロテントウノミハムシ



更新日:2020/03/25
和名:ヘリグロテントウノミハムシ
学名:Argopistes coccinelliformis Csiki
    コウチュウ目ハムシ科
分布:国内では本州~南西諸島に分布。
説明
モクセイ科を寄主とし、1980年代初めごろから、関東地方を中心として、公園・庭園・街路などで大発生を続けている。とくにヒイラギモクセイ、ヒイラギ、ネズミモチに被害が多い。成虫はテントウムシ類に似ているが、刺激を与えると跳躍して逃げる。色彩は変化に富む。幼虫の体色は黄色で、頭部は黒色。関東や四国では通常年1回発生。関東南部では、落葉下などで越冬した成虫が、3~4月に樹上に出現する。成虫は、交尾後新芽・新葉に産卵し、卵は10日前後で孵化する。幼虫は潜葉性で、3齢を経過して1か月前後で寄生木を離れる。幼虫は頻繁に孔道を変えるために、葉の表面に出ている場合も多い。とくに終齢幼虫では、頭部だけを葉肉内に潜らせて摂食している個体が多い。老熟幼虫は、樹から直接落下する場合もあるが、大多数は樹幹を這い降りて地面にいたり土中に潜る。土中で過ごす期間は約1か月で、6月中~下旬に羽化して地上に出現する。羽化直後の成虫は活発に葉を摂食するが、摂食量は真夏には低下し、それ以降は低いまま保たれる。成虫の寿命は長く、越冬後成虫の中には秋まで生き残るものがある。テントウノミハムシの産卵は春にだけ行われるが、本種では夏~秋にかけても土用芽に産卵が見られる。
                       
ヘリグロテントウノミハムシ成虫 ヘリグロテントウノミハムシ幼虫

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