森林生物 トリコミケテス(綱)



更新日:2017/10/18
和名:トリコミケテス(綱)
学名:Trichomycetes(綱) 
    
分布:日本・アメリカ・フランス・イギリス・オーストラリア・アルゼンチン・南アフリカ・グリーンランド
説明
トリコミケテスの仲間は、昆虫に限らず、ダンゴムシ、カニ、ヤスデなどの腸壁に付着し、いわばサナダムシのような生活をしている菌類の一群である。トリコミケテスとは毛髪状の菌類という意味で、約50属200種が知られている。節足動物の腸は前腸、中腸、後腸に分かれるが、各腸に場所特異的に異なる種の感染が認められる。感染により寄主が死亡することはほとんどの場合ない。むしろ、寄主を殺さずに片利共生的に生活している。腸内におけるこの菌類の役割、または寄主に与える影響については不明な点が多く解明が待たれている。とくに、培養のできていない種がほとんどであり、生理的な解明が遅れている。Harpella(ハルペラ)目、Asellaria(アセラリア)目、Eccrina(エクリナ)目、Amoebidium(アモエビディウム)目の4目からなる。ハルペラ目は水生昆虫の消化管に付着生活するものがほとんどであり種数が一番多い。
                       
世界で最初に記載されたトリコミケテスであるEnterobryus elegans全形(寄主はヤスデ アメリカ) 昆虫類寄生菌

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