日本竹筒ハチ図鑑について

 細長い中空の場所に巣を造るハチは、「借孔性(しゃっこうせい)ハチ類」「管住性(かんじゅうせい)ハチ類」と呼ばれ、少なくとも60種ほどが日本から知られています。竹筒やヨシなどを束ねた営巣トラップによく営巣するので、こうしたハチを「竹筒ハチ」と呼ぶことにします。営巣中の様子    
 竹筒ハチには大きく分けて、子供を育てるために花粉や花蜜を集めて使うハナバチの仲間と、昆虫やクモを狩って使うカリバチの仲間がいますが、ハチの種類構成は環境によって違います。天敵の種類や、営巣の成功や失敗も環境を反映します。こうしたことから、竹筒ハチはいろいろな研究や教育を目的として広く使われています。    
 この図鑑では日本の竹筒ハチについて、主なものを成虫や巣内の写真で紹介します。また天敵類の一部も掲載しています。掲載種一覧はこちら。  
 こうしたハチはおおむね小型で、よく似た種が多いうえ、ここに載っていないものもたくさんいます。写真だけで同定する(種を決める)のは危険ですから、正確に調べるためには、別掲の書籍を参照してください。この「竹筒ハチ図鑑」でも、各ハチの記述(学名・和名、特徴、分布など)はおもにそれらの書籍を参考にしています。

 ここで用いたハチ標本の一部をご恵与、ご貸与頂いた方々、また所蔵標本の撮影を許可していただいた独立行政法人国立科学博物館に感謝いたします。


ハナバチ類の巣内の例
カリバチ類の巣内の例
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